コーチングとは、会話、ふるまい、人間としてのあり方といったあらゆるコミュニケーションを通じて、クライアントが望む目標に、しかもクライアント本人が満足できる方法で、達成することを支援する技術です。
とは言っても、なかなかぴんと来ない人が多いかもしれません。
そこでここでは、プロ・コーチのあおぞらさんと、コーチングに興味のあるどんぐりさんとの会話でコーチングを紹介していきます。
どんぐりさん:コーチングって最近よく耳にするんですけど、具体的にはどんなことをするんですか?
あおぞらさん:コーチングは基本的には会話を通じて行われます。コーチとクライアントの一対一でのスタイルが一番多いですね。
どんぐりさん:ふたりで何を話し合うんですか?
あおぞらさん:テーマはクライアントの目標や、解決したい問題がほとんどです。でも、ときには考えがまとまらないのでどうしたらいいのかといった、クライアントの迷いや判断について話し合うこともあります。
どんぐりさん:具体的にはどんな話が多いんですか?
あおぞらさん:ビジネス・コーチングであれば、「売り上げを達成したい」「部下がまとまらなくて困っている」「転職をしたいけれどいまひとつ踏み切れない」「上司とそりが合わない」など、が多いですね。
どんぐりさん:ビジネス・コーチング・・・と今言いましたけれど他にはどんなコーチングがあるんですか?
あおぞらさん:テーマがビジネスに関連していればビジネス・コーチングですが、必ずしもビジネスだけがテーマではないんですよ。人はプライベートな部分でもたくさん望みや目標がありますから。例えば、どんぐりさんが今、望んでいることって何ですか?
どんぐりさん:え・・・と、もう少しやせたいです。
あおぞらさん:へえぇ、なるほど。どんぐりさん、やせたいんですね。
どんぐりさん:はい。最近ちょっと運動不足なのか、太ってきてしまって。主人にも最近太ってきたんじゃないかって言われちゃいました。今はまだぎりぎり平均体重の範囲内ですけど、このまま体重が増え続けたら大変です!
あおぞらさん:どんぐりさんは初期の段階で気づいたんですね。すばらしい!
どんぐりさん:あ・・・そうか。まだ間に合いますよね・・・?
あおぞらさん:今、気づいたんですから間に合うと思いますよ。ところで今よりもやせるとどんないいことがあるんですか?
どんぐりさん:ジーンズが似合うようになるでしょう? おなかが引っ込んでたらちょっと若く見えるかも。。。あと、今度クラス会があるんですけど、スラリとしたワンピース姿で颯爽と登場したら素敵ですよね。主人だって、きっと見直すと思います! それに・・・あ。。。これってコーチングですか?
あおぞらさん:はい。
どんぐりさん:へぇ。。。まだ始まりの部分だけだったけど、いい感じでした。もっと話したいな。
あおぞらさん:どんぐりさん話していて楽しそうでしたね。
どんぐりさん:このあと、ぜひお願いします!
あおぞらさん:はい。喜んで。さて、コーチングのテーマのお話でしたね。どんぐりさんのようにやせることを目標にコーチングを受ける人もたくさんいるんですよ。あとは「夫婦の関係を改善したい」「子どもとの会話を増やしたい」「マイ・ホームを手に入れたい」など、いろいろです。テーマの大小は関係ありません。こういったプライベートな領域でのコーチングはパーソナル・コーチングと呼んでいます。
どんぐりさん:へえ。。。なんだかコーチングが身近に感じられてきました。
あおぞらさん:ええ。一回コーチングを受けると結構くせになる人が多いんですよ。
どんぐりさん:なんかわかる気がします。
あおぞらさん:コーチングを受けると、自分の人生に希望が持てたり、願いや夢を実現できたり、面白いほど行動的になったり、とても充実した毎日が送れるようになるからなんです。私自身もコーチングを受けると、新たな気づきがあったり、決意が新たになったり、考えがまとまったりするのでコーチングは私の人生に欠かせません。
どんぐりさん:え? あおぞらさんはコーチなのに、他のコーチにコーチングを受けることってあるんですか?
あおぞらさん:ありますよ。たくさん。自分以外の第三者に話をする、その人からの質問に答える、というのは自分の脳を活性化させるし、また不思議と新しいアイディアがうかんだりするものなんです。
どんぐりさん:へえ。面白いですね。コーチはもうコーチングなんていらないのかと思ってました。
あおぞらさん:コーチは教師ではありませんから。コーチにも当然課題や目標があって、それに向かっていくには第三者の支援がとても大切なんですよ。特に早い時間で目標を達成するにはコーチングが有効です
どんぐりさん:そうですか。教師とは違うんですね。教師は知識を教えるんですよね。でもコーチは教えるのではなく、相手に考えさせ、そしてアイディアや決意を引き出す・・・っていうことですね?
あおぞらさん:そうです! だんだん理解が深まってきたようですね。Teaching と Coaching はよく区別されます。そのときどきの状況によって Teaching が必要なこともあれば Coaching が必要なこともあるんですよ。例えば小学校の先生は Teaching が主なお仕事です。子どもはいろいろなことを学ばなければなりませんから。もちろん私たち大人もそうですが、大きな違いは、私たちはもう学習の方法を身につけていますから、教師がいなくても自分の力で調べたり、人に聞いたりして知識の習得ができるんです。Coaching は知識を得る前に、どんな知識が必要なのかを考えたり、知識を使って何ができるのかを考えたりするときに役立ちます。
どんぐりさん:ところでコーチングってどんな人にも機能するんでしょうか? 今の話だと子どもにはあまり適していないみたいですけれど・・・
あおぞらさん:とてもよい質問ですね。子どもにも状況によってはコーチングが機能します。でもやはりコーチングの対象となるのは大人が中心だと思います。とはいえ、大人なら誰でも、というわけではないんです。
どんぐりさん:え? そうなんですか?
あおぞらさん:はい。コーチングに向いている人と、向いていない人がいます。
どんぐりさん:コーチングに向いていない人・・・ですか?
あおぞらさん:ええ。例えば・・・自分を変えることを拒絶する人とか、正直でない人はコーチングを受けてもあまり効果がありません。自分を変えることを拒絶している人というのは、例えば、今の自分がベストだと信じているような人とかがあてはまります。今の自分が一番ベストだと信じていれば、もう何もする必要はありませんから。もうそれ以上達成することはない、ということになります。あくまでもその人にとって、ですが。
どんぐりさん:なんか、頭固そう、って感じですね。
あおぞらさん:そうそう。逆にコーチングは頭が柔軟な人にはとても機能します。
どんぐりさん:あのぉ。。。私ってどうでしょうか・・・?
あおぞらさん:とても柔軟だと思いますよ。
どんぐりさん:あ~、よかった!!!(笑)
あおぞらさん:あとは正直でない人もコーチングには向いていません。
どんぐりさん:そうですよね。うそばっかり話されても困りますよね。でもそんな人がクライアントで来たらどうするんですか?
あおぞらさん:面白い質問ですね(笑)。そんなクライアントが来たとしても、私たちコーチはきちんと真摯にお話を聞きます。でも私たちはプロですから、その人が正直に話しているのか、いないのかは観察すればわかってしまうのです。そしてそれがわかったときには正直に「先ほどのお話と矛盾していますね」とか、「私には本当のように聞こえませんでしたが」などと正直にフィードバックをします。
どんぐりさん:わあ。。。結構きついですね。コーチもそんなふうにストレートに言うことがあるんですね。いつも優しいばかりではないんだ。。。
あおぞらさん:優しいとか冷たいとか言う概念はコーチングにおいてはあまりないんですよ。クライアントを望むゴールへ導くのが第一優先です。ただそのためにはコーチとクライアントとの間にラポールが築かれていなければなりません。ラポールを築くのはクライアントが目的を達成するために、クライアントと二人三脚を組むからです。
どんぐりさん:ラポール・・・ってなんでしたっけ?
あおぞらさん:ラポールは人と人との間に生まれる、安心で安全で互いを信頼できる良好な関係です。信頼関係という言葉が近いかもしれません。
どんぐりさん:ラポールですか。。。でもクライアントの人はほとんど初対面ですよね。コーチングをはじめてからラポールを築くって難しいんじゃないですか?
あおぞらさん:ええ、とても難しいです。でもこれがコーチングの土台になっていますから、おろそかにすることはできないんですよ。ちなみにプロのコーチは、初対面の人とラポールを短時間で築くスキルを訓練によって身につけているんですよ。
どんぐりさん:へえ。。。そんな訓練を。。。知りませんでした。最初コーチングって聞いたときには正直私にもできそうだって思ったんですけれど、よく話を聞くと結構むずかしそうですね。。。
あおぞらさん:時間をかけて訓練や練習をつめば、そのようなスキルは身につくので大丈夫ですよ。
どんぐりさん:う~ん。。。私はクライアントのほうがいいです!
あおぞらさん:プロのコーチにならなくても、コーチングのスキルを仕事や生活の中で使っていくだけでも人生が変わります。そしてそれだったらそれほど大変ではないですよ。
どんぐりさん:え? そうですか? それなら私にもできそうです。
あおぞらさん:fRee sTyle の研修はコーチングのスキルを取り入れた内容になっています。ぜひ体験してみてくださいね。